先日、ニコン・エシロールと東海光学のレンズ工場を見学に愛知県まで行ってきました。
まずは愛知県豊川市のニコン・エシロールです。
こちらの工場では、特注レンズを中心に、24時間体制で360日稼働しているそうです。
残念ながら工場内は撮影禁止とのことで外観のみの写真となってしまいました。
レンズの製作はどのメーカーもほぼ同じ工程で行われます。
①素材成型
原料を型に流し込み加熱して成型する
②切削・研磨
荒削り→精密研削→研磨→洗浄の順で切削研磨
③光学検査
指示通りの精度が出ているかの検査
④染色
レンズの色合いや濃度を染料の量と時間で調整
⑤コーティング
ハードコート(耐傷防止)→洗浄→マルチコート(反射防止)の順で施す
⑥玉型加工
要望に応じてフレームの形状に合わせてレンズをカットする
これ以外にも何度も検査の工程が入るのですが、最終的には人の目で検査を行います。
機械の検査をクリアしても、細かな傷や微妙なズレなどは人の目にしかわからないのです。
続いて愛知県岡崎市の東海光学本社です。
こちらは本社内に工場があるので、受注から出荷まですべてこちらで行います。
ニコン・エシロールと同じく、工場内は撮影禁止との事で外観の写真です。
こちらの工場では、特注レンズだけでなく、在庫レンズも作成しています。
工場内はほとんどオートメーション化していますが、ニコン・エシロールと同じように、
最終的な検査は全て人の目で行っています。
東海光学はガラスレンズ工場が近所にあり、そちらも見学させてもらいました。
こちらには「匠」と呼ばれるガラスレンズのスペシャリストの職人さん達がいて、
機械では作成できない特別なレンズを手造りすることがあるそうです。
依頼されて実際に作成したというレンズの撮影許可をいただきました。
まずはこちら
なんとS-280という強い近視の度数のレンズです。
続いてこちら
S-103C-30というかなり強い近視と乱視のレンズです。
そしてこちら
上下に老眼の度数が入っているレンズで、パイロットが上下の計器を見る時などに使うそうです。
このように規格外のレンズの製作は機械ではできないそうです。
工場でのレンズ検査もそうですが、職人の技術は機械に勝るのです。
普段からレンズと接してはいますが、制作過程をじっくりと見る事はなかなかありません。
今後も見学の機会がありましたら、どんどん参加してご紹介していきます。